東京地方裁判所 昭和44年(ワ)12095号 判決
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〔判決理由〕ところで原告は、原告会社代表者木下の受傷に基づき、同人とは法律上別人格である原告会社に生じた休業損害および逸失利益の賠償を求めるのであるが、原告代表者本人尋問の結果と弁論の全趣旨によれば、原告会社は、その代表者木下個人の出捐によつて設立された会社で、役員も同人のほかはその両親が名義を貸しているにすぎず、会社業務も同人一人で担当しているいわゆる個人会社であり、同人と原告会社とは経済的に一体をなす関係にあることが認められる。このような場合には、同人の右受傷により原告会社に生じた右の如き損害も、加害者たる被告において賠償すべきものと解する。そしてその損害額は次のとおり算定される。
1 休業損害 九万七七一五円
<証拠>によれば、木下の前記休業期間を含む原告会社の昭和四二年四月一日から翌四三年三月三一日までの営業期間における各固定経費等の年額は、減価償却費二一万〇五六七円、不動産賃借料一八万円、租税課金三万四六二五円、水道基本料金七二〇円(月額六〇円)、ガス基本料金三一九二円(月額二六六円)、電灯基本料金一九二〇円(月額一六〇円)電話基本料金一万三三〇〇円(月額一一〇〇円)、保険料三万七六五〇円の合計四八万一九七四円と認められ、その七四日分(三六五分の七四)は、九万七七一五円と算定される。
そして、右固定的経費分は、原告が業務を遂行していれば当然原告において負担すべき費用であるが、現実には、原告代表者の本件事故による休業のため、原告において業務を行なうことなくして負担のみを余儀なくされたものであるから、特段の事情のない限りこれは本件事故と相当因果関係にある損害というべきである。
(坂井芳雄 浜崎恭生 鷺岡康雄)